2024/08/06 13:41
腎臓病の犬や猫に対しては、リンを制限することで進行を遅らせることはよく知られた話です。
タンパク質に関してはステージによって異なり、初期の頃は制限しない方が良いというのが定説になっています。
↓↓さてワイソンは高タンパク食と腎臓病に関して下記のように記しています。↓↓
ある研究(ワイソン社による研究ではありません)において31頭の犬を2つのグループに分け、7~8歳になってから4年間調査しました。
半分のグループには34%のタンパク質を、もう半分には18%のタンパク質を与えました。
さらに腎臓の変化を起こしやすくするため、研究者は片方の腎臓を摘出しました。
(このような残酷な実験はまったく必要ありませんでした。ワイソン・オプティマル・ヘルス・プログラム™の哲学の論理からすれば、答えは容易に予測できたはずです)。
その結果、蛋白質18%のグループでは6頭の犬が亡くなりましたが、34%のグループでは1頭だけでした。
腎臓組織を検査したところ、腎臓の変性や疾患に関しては、両群間に有意差は見られませんでした。
どちらのグループも重大な腎臓病にはなりませんでしたが、低タンパク食のグループの死亡率が高かったという事実は、高タンパク食が免疫系に有益な効果をもたらすことを物語っているのかもしれません。
腎臓病の原因と予防に関するさらなるデータ:
1.タンパク質を制限しても腎臓病の進行を抑えることはできないかもしれない。
犬や猫の腎臓病の進行に対するタンパク質制限の影響は依然として議論の的となっており、この件に関する決定的な研究は存在しません。食事中のタンパク質が不十分であることも同様に有害であり、腎不全患者のタンパク質栄養失調は他の合併症の発生を促進したり、早期に死亡につながる可能性があります。
「...Restriction of protein intake does not alter the development of renal lesions nor does it preserve renal function." (See KIRKS VETERINARY THERAPY XIII, Small Animal Practice, W. B. Saunders, page 861)」
2.血圧が高いと腎臓病は急速に悪化します。
血圧を適切にコントロールすることで腎臓病の進行を遅らせることができます。
研究によると食事中にオメガ3脂肪酸を補給することで、腎全摘術を受けた犬において腎保護効果をもたらすことが示されています。
魚油を与えられた犬では、タンパク尿と組織学的損傷 (糸球体) が少なくなりました。
オメガ3脂肪酸により血圧や炎症が低減します。
3.プロバイオティクスは尿素窒素を低下させます。
プロバイオティクスは増殖のために窒素を必要とするため、消化管内の窒素物が低減されます。
そして、プロバイオティクスが便として排出される際に窒素老廃物も排出されます。
参考文献
1.Canine & Feline Nutrition, second edition, by Case Carey & Hirakawa Daristotle.
2.Managing a renal crisis by Martha S. Gearheart, DVM, Diplomate, American board of Veterinary Practitioners
3.Nutritional management of chronic renal failure (CRF) in Dogs & Cats by Dennis J. Chew, DVM, Diplomate ACVIM (Internal medicine), Ohio State University, College of Veterinary Medicine, Columbus, Ohio & Patricia A. Schnck, DVM, PhD, Michigan State University, College of Veterinary Medicine, East Lansing, MI.
4.Geriatric Nutrition: Protein; Purina Research Update
5.Kidney failure & diseases in the dog & the cat at ThePetCenter.com
↑↑ここまで↑↑
現時点では、健康な腎臓であれば高タンパク食でも影響はないとされています。
しかし、もちろん「高タンパク」がすべての個体においてあうわけではありません。
だからこそワイソンには「グルテンフリー」「グレインフリー」「スターチフリー」の3つのシリーズを用意しているわけですし、現代の犬や猫、フェレットには導入として「グルテンフリー」であるオリジナルシリーズを進めています。