2025/01/17 09:39
ここ最近オイルコーティングが悪しきものとされる風潮があるようですが
かなり誤解が多いので説明をしようと思います。
オイルコーティングをするのは2つ理由があります。
1つは嗜好性をあげること。人もそうですが、特に脂肪は嗜好性をあげる手段ですので、最終工程で油脂をスプレーすることでより香りが際立ちます。
これは有名ですね。
そして、もう1つが、熱に弱いオイルやプロバイオティクス、微量栄養素を加熱後に添加するためです。
オメガ3系のオイルやプロバイオティクスは熱に弱いです。
一般的にペットフードで90度以上で加熱処理されています。
そうしますと熱に弱い原材料を他の原材料と同じタイミングで投入してしまうと、加熱工程の際にダメージを大きく受けることになります。
これではせっかく良いものを入れても台無しです。
そこで加熱処理後の工程で熱に弱い油脂をスプレーするのです。その際にプロバイオティクスなども一緒に添加します。
いやいや、それでも表面に油脂がついていたら酸化しませんか?というお声もあるかと思いますが
今はオイルをスプレーする際に、真空状態にしてスプレーする技術が確立されています。
これにより、まず真空化ですので油脂が酸化しにくくなります。さらに、気圧を元に戻す際に、油脂がキブルの中に吸い込まれていくのです。
これにより油脂とあとから添加した原料がキブルの中に均等にいきわたるということになります。
ワイソンもこの技術でオイルコーティングしていますので、キブルの表面はさらさらしていると思います。
さて一方でノンオイルコーティングフードはどうでしょうか。
いっけん聞こえはいいですね。
しかし、まず熱に弱いオイルやプロバイオティクスを使用していた場合、その他の原材料と一緒に投入されます。
そうしますと、まず、製造中酸素に触れ続けます。そして、加熱工程があります。
さてどうでしょうか。
ギリギリまでオイルを酸素に触れさせず、さらに熱によるダメージが加わらないように気を付けているオイルコーティングフード。
一方で製造工程中、酸素に触れ続け、さらに熱によるダメージが加わっているであろうノンオイルコーティングフード。
どちらが油脂の酸化に気を使っているでしょうか?
昨今、消費者にとって耳障りの良いキーワードを駆使しマーケティングに重きをおいたペットフードメーカーが増えています。
しかし実際の所、本当の意味でペットの健康を考えているのはどちらなのでしょうね。
なおコーティングによって油脂が多いというイメージがあるようですが、コーティングする油脂も含めた保証分析値の脂質です。
油脂が多いフードはと言い出すと、フリーズドライの方がはるかに脂質が高く、しかもより酸化しやすいですよということになります。
