2024/08/07 11:22

フェレットは完全な肉食動物です。そして腸管はとても短く、盲腸および回盲弁がありません。
その結果、食物の体内での通過速度は非常に早く、消化管通過時間は2~4時間と非常に短いのが特徴です。
ちなみに同じ完全肉食とされる猫は12~24時間ですので、いかにフェレットの消化管通過時間が短いかがわかると思います。

栄養的な要求面で言いますと、
粗タンパク質は最低30%以上、粗脂質は最低15%以上、粗繊維は5%以下のもので、かつ炭水化物は少ない食事が望ましいとされています。
さらにタンパク源は動物性のタンパク源を摂取する必要があります。
植物性のタンパク源は推奨されておらず、穀物ベースのフードは下部尿路の疾患と関連することが分かっています。
さらに、炭水化物が多い食事は膵臓に負担をかけることになります。

フェレットフードの他にトッピングなどで「レバー」を給与する場合はビタミンA中毒(過剰)に注意してください。
その他、ニュージーランドのフェレット繁殖場において、チアミナーゼを含有する魚を給与したところ
チアミン欠乏症が起こったという報告もあるそうです。

特定の種類の食べ物に慣れた後は、食事の変化を好まない傾向があり、多くのフェレットは生涯を通じて、ひとつのブランドの市販の餌を食べることで満足する傾向があります。
これは、「栄養刷り込み」と呼ばれるもので、フェレットが最初に食べた物の味や形状などに親しみをおぼえ、他のものを試そうとしなくなることに起因しています。

成体のフェレットは1日あたり200~300kcal/体重1kgあたり を必要とします。
これは一般的な猫と比較すると約3倍の食物摂取量になります。
給与方法は自由採食が望ましく、これは代謝が早く、消化管が短いため頻繁に食事を必要があるためです。
一般的にフェレットは自身で食事量をコントロールするため犬のように食べ過ぎて太ることはありません。

フェレットオーナー様はご存知の内容ばかりかもしれませんが記事にさせていただきました。